宇宙人その2の話

 別にかけてるワケじゃないんですけど、ネットカフェで『宇宙兄弟』をさらっと読んだらおもしろ気配が満載だったので、読むのを途中で辞めて本屋さんで全巻まとめ買いして家で読んだら案の定スーパーおもしろくてだな。理工系の人、宇宙って単語にピクンってする人、兄弟話が好きな人、NASAJAXAISS、で一回でも検索したことがある人、マンガが好きな人、オススメです。高専の卒研でCAN SATに(カケラほどだけど)携わった人間として、ムッタのアイディアにはマジで震えたよオレは。

 ココで話はタイトルから思いっきり横道にそれるのですが、この『宇宙兄弟』、このマンガがスゴイの去年のヤツの2位の作品です。このマンガがスゴイのヤツ、一応それなりに読んでみたんですけど、1位の『進撃の巨人』以外おもしろいっていう。このマンガがおもしろい、だったら、また順位は変わったんだろなぁって思いました。『進撃の巨人』は確かにスゴイ。でもこの『進撃の巨人』のすごさの中身って、あくまでオレの評価だけど「おそらく似たような妄想を中二くらいの男子は誰もがしていて、それを大人になっても忘れずに具現化したところが、すごい」じゃねえかと。たとえば絵の描き込み具合で評価したら『乙嫁語り』なんてハンパじゃねえし、罪悪感とか変態とかのキーワードで引っ張り出したら『惡の華』の方が断然、上だろうしな。どういう視点で評価するかなんだろうけど、この『宇宙兄弟』は初見で「きた!」って感じだった。だから、ちゃんと本屋さんで全巻買おうって思ったんだ。だから買ったわけさ、全巻。そしたら宇宙人に遭遇してだな。あ、横道から本筋に戻りましたよ。

 ちょっとイメージしてみてね。本屋さんのレジに『宇宙兄弟』全巻をドンって置いた状態です。ちなみにレジの子、女子高生。で、オレは、ちゃんと逆から裏返しにして重ねていったんです。レジを通した後に順番通りになるように、下から13巻、12巻、11巻…1巻って。その状態(1巻の裏が一番上に来ている状態)でレジの横に置いたのさ。そしたら、1巻の裏に表示されているバーコードを読み取ってそのまま置いて、次は2巻のバーコードを読み取って、1巻の上に重ねて…ってなって、結果順番通りの並びになるじゃないですか。下から順に1,2,3,4…ていう並びに。

 ところが!ところがですよ、その本屋のレジの小娘はよう!そこのレジのバーコードリーダーは備え付けのヤツで、読み取り面が下向きになってんです。だからそのリーダー面の下に、本の裏面に印字されているバーコードをスッと入れて読み取るっていう方式になっているんですけど、何をトチ狂ったかそのレジ娘は、オレが丁寧に逆順に積み重ねた『宇宙兄弟』の1巻を左手に、2巻を右手に持って、まず右手の2巻をリーダーにかざし、ピッ、次に左手の1巻をリーダーにかざし、ピッ、そして右手の2巻を先に置いて、その上に左手の1巻を置いたんですよ。

 その時点でオレはぞわっとしたんですけど、以下、その右手左手の繰り返しで。つまりちゃんと1,2,3,4…て並ぶはずだった『宇宙兄弟』が、その小娘の仕事の結果、謎の2,1,4,3,6,5…っていういちいちテレコの状態になって返ってきました。家に着いて、そっと、順番を元通りにして読んだっていう。…絶対、このレジの子宇宙人だ。

 あと、その本屋さんのレジでオレの前に並んでいた中学生くらいの女の子が『カイジ』を買っていたという事実。その中学生も宇宙人だ。じゃないといろいろ納得できねえ。

宇宙兄弟(1) (モーニング KC)

宇宙兄弟(1) (モーニング KC)