僕がすごい権力者だったら、コイツら全員を辱めていると思う。

 
 たまーに、そして急にやってくるピンポイントでの「あ、いまオレ、この人のこの曲を聴きたい!」っていう衝動に駆られる瞬間ってあるじゃないですか。オレに限らず、この世の全ての人と、この止めどない思いを共感できているっていう前提でこれから先を書いていきます。

 結果から書きましょう。ホントに、ついさっきなんですけど、それはもう唐突にYUKIのメランコリニスタのメロディがスっと脳に入ってきたんですよ。歌詞は付いて無くて、メロディだけで。この曲が脳内再生されたのはまぁ久しぶりですし、なにキッカケかもよくわからないまま脳内でメロディだけがふにゃふにゃと流れていたんですけど、シナプスがカラッカラの状態になっているニートのオレは「えーと、ところでこの曲のタイトルってなんだっけ?」ってところから考えなきゃならなくて。なんか知ってる好きな音が頭の中で流れているけど、それが何なのかはわからない状態。一言で言うと、不憫な脳です。

 そんな残念なオレ脳のことはさておいて。とにかくこの曲のタイトルを思いだそう、その一念のみをもって、机に突っ伏すこと数分「ふふん、ふーふ、ふんふん」の一文字目の「ふ」を五十音順に「あ」から当てはめていく作戦で探り当てたその曲は、そう、あれ、わかったあれだ!さっきオレの脳内でさらっと流れた曲は、YUKIの「メランコリニスタ」だ!

 ぃよしキタ!と、その、なぞなぞのゴールにたどり着いた満足感をそのままに、意気揚々とyoutubeを開き「YUKI メランコリニスタ」と打って検索しました。その結果…その結果、ですよ。そこにピックアップされた動画に対するオレの憤りは、千万言を持っても費やせないくらいのもので。とにかくもう、ひどい。もうね、オレの中では、さらっと解決して終わるはずだった事柄なんです。ただ単純に、オリジナルを聴きたかっただけなんだ。ある日あのとき急に脳内で音が流れだして、でもその音のタイトルをなかなか思い出せずに、なんだっけ、これ、なんだっけと考え尽くした末にやっとタイトルを思い出し、さぁ聴こうと思ったらこの仕打ちかと。

 あのね、youtubeで「YUKI メランコリニスタ」で検索するとね、「メランコリニスタを歌ってみた」っていうタイトルの動画がひたすらヒットしやがって、オリジナルが全然出てこねえの。ちなみにその「歌ってみた」って何かっていうと、完全なるシロウトが、ただ歌ってみてるんですよ。ただ、歌ってみてるの。

 …あのな、誰とも知らないお前らのカラオケなんぞに興味なんてないっつの!

 …っていうオレのキレ方は間違ってないよね?で、YUKIのオリジナルを探せども探せども、どこの馬の骨かも知らないヤツの「YUKIの歌ってみました」ばかりが出てきてさ。もっかい書くぞ。お前らのカラオケに対する興味なんてゼロだからな!ていうか、なんの意図があって、そんなことしてんの?もしかしたらどっかのエライさんのお目に掛かってデビューできるかもー!とか、ただ単純に自分は歌がうまいしーとか思い込んでいて、それをお披露目いたしますっていう精神なの?ばーか!ばーか!!お前らの歌なんかに興味を持つヤツなんてこの世に二人と居ねえよ!(すんなりとオレの欲求である「yukiのメランコリニスタを聴きたい」にたどり着けなかったことに対するいらだちのピークが来たのがこの辺)

 そりゃね、youtubeYUKIのオリジナルのPVを見ようとしたオレ自身に間違いが無かったのかと問われたら、それはそれで何とも言えないけれども。でもね、オレのささやかな欲求が、なんかどうでもいいバカ女のカラオケに阻まれたっていう悔しさを伝えたくて、切なくてtonightです。みんな、どうもありがとう。

 だからもう、その後は気持ちの整理をつけるために、オリジナルがあったjoyを見て、オレの中でつじつまを合わせました。つまりアレです。YUKIはかわいいんだよね。