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 家から徒歩2分のセブンイレブンと、徒歩6分のセブンイレブンがあるのですが、今日は徒歩6分の方の話。

 その徒歩6分の方には、いつもゴミ箱の隣にちょいとかわいい黒猫が居るのです。ちょいとかわいいので、みんなそいつを見かける度にお菓子やらおでんやらをあげては、よーしよしと撫でてしまうんですね。もちろん僕もよーしよしとしました。何度も。そのかいがあって、そのちょいとかわいい黒猫はゴミ箱の隣に常駐するようになったのですが、セブンイレブン側としては、衛生上ちょいとかわいい黒猫に住み着かれるのはやっぱり気分が良いものではないみたいで、ある日ピンクの画用紙に「ネコにエサを与えないでください!」と手書きのポップな文字で書かれた張り紙が大々的に張り出されていました。

 そこまではいい。店側の気持ちはわかる。でもね、ちょっとおかしなことがあったんだ。ピンクの画用紙に書かれた「ネコにエサを与えないでください」というポップな文字の右下に、これまた上手にかわいく描かれていたんです、涙を流しているちょいとかわいい黒猫のイラストが。それを見た瞬間に思わずキュンとしてしまったんですけど、2秒後にいやいやいや、それは違うだろうと気がついた。そのイラストだと「ちょいとかわいい黒猫がお腹を空かせているので、ぜひエサを与えてやってください」のフレーズが妥当になっちゃうじゃん。そこに描くべきイラストは、ものすごく悪い顔をした、ちょいとかわいい黒猫の姿だと思うんです。こんな悪いヤツなんだから、エサなんて絶対にあげちゃダメなんだぜ!っていう。

 でも、ものすごく悪い顔をしたちょいとかわいい黒猫の姿っていうのが想像できなくて、なんか軽く負けた気持ちになりました。そして皆さんお気づきだと思いますが、今日の日記で書きたかったフレーズは、そう、ちょいとかわいい黒猫です。4連続で声に出してみ?なんかニヤっとするから。