鼻水王

 
 風邪がなーおーらーなーいー。31日から胃に来る風邪を引いて1日の夕方くらいにそこそこ復活したのに、2日にふらりと弟が「風邪引いた…」と帰ってきて、その風邪をそっくりそのままもらって、いまです。10m先くらいにオレと風邪が並んで立っていたら、たぶんどっちがどっちだか見分けがつかないくらいオレは風邪だと思います。あけましておめでとうございます。

 そんな感じでうすぼんやりとしていたら、もう7日。七草粥の日じゃないですか。七草粥を食べる度に思うんですけど、秋の七草ってなんなんでしょうね。春はわかるんですよ。せりなずなごぎょうはこべらほとけのざすずなすずしろってガキの頃に呪文を唱えるかのように覚えたし、おせちを食べて疲れた胃を癒すためとか、病気にならないようにっていう意味を込めて食べるとか、その辺も知ってる。正体バレバレですよ、春。でも、秋の七草ってなに?その存在は知っていれども、中身(どんな草か)はよくわかんないし、そもそも何のために設定されたかも知らない。…これは悪いニオイがしますよ。完全に秘密結社的なニオイがします。

「…ごめんなさい」
「なにをいきなり、どうしたんだよ」
「もう、ユキオさんとは一緒に居られないの」
「だから突然、どうしたんだって!」
「お願い、それ以上は聞かないで」
「いいや、僕だって理由を聞かずにこのまま引き下がるわけにはいかない」
「…」
「話してくれるね?」
「昨日…ね、手紙が届いたの」
「手紙って誰から…も、もしかして」
「そう、秋の七草からよ」

 ここからユキオさんとモツ美さんの愛の逃避行が始まるわけですが、そのくらい「秋の七草」という単語からは、謎めいた印象を受けるのです。今年もよろしくお願いします。