タグチのおっさん

 タグチメソッドおもしれー!

 今日の日記はオレメモ日記なので読み飛ばしておくれ。もしタグチメソッドに興味を持ったらまずはグーグル先生を捕まえて調べるといい。で,もうちょっと興味を持ったら教えて。少しは話せるから。

 タグチの主旨は,なんとなく知ってたんです。僕のザックリ認識だと,なんかの事象に対してその要因がいくつもあったとき(考えられるとき)に,単純にその要因を組み合わせた実験をやると2の二乗や3の三乗で実験回数がえらいことになるけど,そいつをうまいこと組み合わせると,めちゃめちゃ少ない回数の実験を回せばそこで起こっている現象が見えてくるよ…がタグチさんです。あと,バラツキが少ないところでモノを作っていって,そこから目標値に落としこんでていく感じのアレです。

 温度がすげえ上がってるんですよ,いま作ってる製品の。こんなに上がっていいの?いやよくない。でも原因がよくわからねえ。じゃあ,とにかくしらみつぶしで温度を測っていって,なんでこんなに温度が上がっているのか,なんとか現象を探ろう…がここ一年くらい続いていて,でもハッキリとした結論は得られなかったのです。このICの温度を放熱させると,ここの温度は2,3℃下がるけどー,みたいな感じで。だからなに?がよくわからんかった。つか,一年って。頭ゆるいよ。

 そんなときに,設計ツールマスターの上司から「ちょっと待てたむら,ソレ,タグチ使って回した方がハッキリするんじゃねえの?」と言われて,「え?そうなの?」といろいろ教わりながらやってみたのです。因子を挙げて,それをL8の直交表に放り込んでぐりぐり実験回して…っても2日間くらい。いままでの一年に比べたら一瞬。

 そしたら,驚くようなハッキリとした結果が出てきた。いままでやってきたことはなに?っていうくらい,ホントにハッキリと。ビックリするくらい起こっている現象の辻褄があっていて,しかもそれぞれがちゃんと「数値」として出てくるのな。ココをこうすると,ソコに対してこのくらいの影響が出ますっていうのが,ハッキリと数値で見えるんですよ。久しぶりに,ホントに久しぶりに,仕事で感動した。伊達にアメリカを蘇らせてないですよ,タグチのオッサン。ホントすげえ。

 で,結果のグラフを見ながら,すでに群馬に行ってしまった上司への報告資料を作っていたんですけど「うおー,コレとコレの結果を併せてみたらこんなこともわかるじゃん!」と一人で勝手にテンション上げながら資料を作っていたら,帰宅時間が1時過ぎに。金曜の夜なのに。でも,久しぶりに楽しかったから良いんだ。設計って,こういうことだよなと思える仕事が久しぶりにできたので楽しかったです。

 こんなんばっかりだったら,会社辞めようなんて思わないんだろうけどなー。やってる仕事の内9割が理不尽で9割が雑務なので辞めたいです。ていうかうちの事業所このままじゃ潰れるしなぁ。余計なコトするなよアメリカ。