ドラゴン桜

 伊勢エビを釣りに行ったんだけど、釣れたのはちっさいフグと、それなりの大きさのソイだった。イメージと違う。フグは逃がしてソイは焼いて食った。

 『ドラゴン桜』がスゴイです。教育、というか学校に対する常識をガンガンひっくり返しているマンガ。ところでオレは巷で話題になるものに対して、どうして色メガネをかけてしまうんだろう。その色メガネのせいでなかなかこのマンガを手に取れなかったんだけど、いざ読んでみたらすげーおもしろいのな。いや、この作者、前にヤンジャンヤンマガ野球マンガを描いていて、それが別におもしろくもなく、つまらなくもなくっていう中途半端なヤツだったんですよ。そういう偏見もあっていままで読んでなかったんだけど、このマンガはすげえ。なにがすごいって、いちいち納得できる。コレを読みながら「そう、そうなんだよ!」って何度も一人で声に出してた。そうなんだよ、このマンガで言ってることって。高校の時に龍馬を追っかけてから初めて学校の授業に疑問を持って以来(疑問を持つのが遅いという話は置いといて)、もしオレがそっちの立場だったらこう教えるのになーって思い続けてきたことが所々に描いてあって、そう、そうなんだよ。

 このマンガで何度も主張されていること。物事には理由があって、常になんで?どうして?を考えて、その疑問を紐解とく姿勢を持て。まさにそうだ。理由と仕組みがわかればこの世はおもしろいことだらけなのに、結果ばっかりたたき込もうとされたじゃん?少なくともオレはそうだった。それじゃ教わる方もやる気出ないよ。授業で教わることのほとんどが、数式の=の右っかわな気がするんだよね。そればっかり並べられてもつまらねえ。左側があるから右側があるのにさ。イコールの左に重点を置かないってのはすなわち、なぜなにどうしてなんかポイで、とにかく結果結論を頭に放り込めってやり方なんだ。工学屋さん物理屋さんの先駆者達ってホントにスゴくて、そのスゴイ人がスゴイことを成し遂げた理由は大きく二つあるのです。一つは「なんで?」を紐解くため。もうひとつは「楽したい」を実現するため。結局、コッチ側の人間ってそんな程度の理由でスゴイことをやってしまうものなんだ。そんなもんなんだけど、それを一言、先生が授業で言うか言わないかで教わる方の視点は大きく変わってしまうのです。勉強はおもしろいって学生に思わせた時点で教師としては大成功だってなんで思わないんだろう。逆に、「勉強が好きだ」って言う子が少ないっていう事実を、教師はどう捕らえてるんだ?学校だって学費を取っている以上、授業はエンターテイメントであるべきだと思うんだけどな。学ぶって過程の中で「理屈抜き」っていうのは一番つまらないのに。金を払った上でつまんないことをされたらイラっとくるのが普通だ。

 あとね、ガキの頃なんてたたき込んだ分だけ頭に入るんだからたたき込むべき。あの頃2,3回、英単語を書いただけで頭に入ってたのが今のオレには信じられないよ。小中高校生って天才なんだぜ?それをゆとりだなんだと言って一番絶好調な時期をぐんにゃりさせちゃって、結果この有様だしさ。大切なのは学生に「たたき込まれてる」って認識をさせないことで、いつのまにかそういう状況になってるってのが理想。どうしたらそうなるか?その方法はお前らが考えろ。教師なんだから。余談だけど、ゆとり教育の目的って考えない人間を量産することだったと思うんだけど、あまりにそんなヤツらが増え過ぎちゃって、それが数字に表れてヤバイって思った国がいま慌てて軌道修正をしようとしてるんだろなとオレは思ってます。なにしてんだか。

 みたいなことを延々と考え続けながら読めるマンガ。オススメ。あとこのマンガ、ひとつの物事を説明するときに必ず、結論から言ってるのです。つまりちゃんと、法則に則って物語を進めているので理解しやすい。人を丸め込むには、まず結論から言うことです。え?って相手に思わせたら7割、勝ち。

ドラゴン桜(1) (モーニングKC) [ 三田紀房 ]