僕の夏休み26−4

 ワッペンとデート。

 恵比寿の東京写真なんとかに行ってきた。恵比寿オシャレ。来たの二回目。写真なんとかも二回目。大学生のときに写真っぽい授業を取っていて、そのときの先生が個展を開いたときに来たのです。三橋先生。僕の東京の守備範囲は総武線と山手線の右側なので、左側はホントに滅多に行ったことがない。だってオシャレなんだもの。

 プロの話は聞いていてホントにおもしろい。ワッペンにいろいろ教えてもらった。色とか構図とか、撮る人の気持ちとか。写真や音楽や文章のような表現の世界っていうのはホントに深くて、オレらが住んでいるような物理現象を追っかける世界とはまるで考え方が違う。物理現象って言うのはどうあってもそれが事実でひっくり返らないものなんだけど、感性に訴える世界はその人それぞれで評価が違って、でもその中にはちゃんとベースの技術が存在していて、かといってそれをしっかり守っていたからといって良い写真が撮れるわけでもなくて、なんかそういう世界ってすげえ。あの、子供が縄跳び飛んでる写真、良かったなー。なにがどう良かったっていうのは明確に書ききれないんだけど、よくぞこの世のあの一瞬を切り取ってくれたって思った。オレが三橋先生に教わって覚えているのは「中心のある写真を撮ろう」ってことだけなんだけど、それだけでも、この人の授業を取って良かったと思う。この写真を撮った人は、どこに中心を置いてあるんだろう、なにを切り取りたかったんだろうっていう見方ができたのは、この人の授業を取ったからだと思うから。良い時間を過ごせた。ありがとうワッペン。

 せっかく恵比寿に来たのだから、ビール飲もうよビール。じゃないと恵比寿に失礼だ。てことで、写真を見たあとにビールを飲んだ。オレだけ。あ、あれ?ワッペン飲まないの?ていうか昼から飲むのはNGなの?そんな時間を過ごしつつ、次どこに行こうか。「きのう、うささんから中目黒におもちゃとか古本がいっぱい置いてあるおもしろいところがあるって聞いたんですよ」とワッペン。オッケーわかったそこに行こうとレッツ中目黒。で、そのおもしろいところはどこにあるのよ?いや、ちょっとよくわからないんですよね。じゃあコンビニ行って調べようかとレッツコンビニ。で、それっぽい本をぱらぱらめくっても、それっぽい場所は見つからない。うーん、じゃあうささんにもう一回確認してみようかと電話をかけて、ワッペンに渡す。「はい、はい、で、昨日教えていただいたところに行ってみようと思うんですけど・・・え!?中目黒じゃなくて中野なんですか!?」オー、ザッツケアレスミスですネ。

 中野のブロードウェイのことだったみたい。その場で膝をつくワッペン。コンビニでうずくまるヤツって初めて見た。便利なお店なのに。はいはい、じゃあ中野行こうかー。ちなみにオレもうささんから「たむらその話を聞いて中野って気づかなかったの?」と言われましたが、オレの守備範囲は山手線の右側なのです。中野行ったことナイ。