オフヶレポ4
「で、その危機さんてのは?」
「それはもう、皆さん御存知な人です。それは・・・」
「そ、それは?」
「・・・スズさんです」
全員「じゃあ別に助けなくていいじゃん」
満場一致。このオフが始まって、初めて僕らの心が一つになった瞬間でした。すげえなスズ。そして『新宿の危機』の正体が明らかになったとたんに急上昇したのがちょさんのテンション。頭のプリンを40秒さんに差し出して、それを40秒さんが2秒で食べてました。こんにちは、42秒さん。すると、まだ店員さんがテーブルの横でもじもじしています。どうしたんでしょう。かわいいですね。
「あ、あの、お客様」
「なんだお前まだそこに居たのかよ店員のくせに」
「実は、スズさんだけではなくて、まだ救わなければならない人が・・・」
「ああん?なんでそういう話をもっと早く言わないの?で、誰なのさ、その人って」
「びすけさん、とおっしゃる方が」
全員「えー!」
びすけさんって、叩いてみるたびに増えるのに日本シリーズで逆転サヨナラ満塁ホームランを打ってしまったため、ホームインしたときにチームメイトにばんばん叩かれた関係ですごい増えちゃった、びすけさんのことを言っているの?それは大変です。一刻も早く救い出せねば。あ、ちなみに、特に説明がない場合は、店員さんとしゃべってるのはガスさんです。何かこの人はこういう役回りなのです。それはともかくとして、びすけさん。びすけさんは一体どうなっているの。
「なにか、なにか手がかりはないのですか?」とぼくたむら。この中で、ですます調でしゃべるのは僕と店員さんくらいのものでした。あとはだいたいみんなラップ調かテレパシー。
「本来なら密偵が多少なりとも情報を手に入れてくるのですが…でも…密偵はことごとく…」
と、店員さんがちらりと見た先にはでるでるさんとちょさんが居ましたが、二人は全く意に介せずめろんでプリンでした。新宿の危機に対して、僕らはなすすべもなくビール片手に事態は完全に膠着状態に陥りました。すると、どこからともなくカブトムシが一匹ふらふらと迷い込んできて、テーブルの上にぽとんと落ちました。
「と、トレイシー!トレイシーじゃないの!」と店員さん。
「トレイシーは組織で一番頼りになる密偵なんです」
はあ、そうですか。そんなトレイシーが店員さんの肩にとまり、なにやら羽をぶんぶんさせています。その動きに呼応して時折驚愕の表情を交えながらうんうんと頷く店員さん。すいませーん、ピッチャー追加でー。余談ですが、うさうさ脳さんはこの日一番ビールをこぼした人でした。リッターでこぼしてた。
「みなさん、びすけさんの居所がわかりました」
いつのまにか誰よりも重要なポジションとなってしまった店員さんが、神妙な面持ちで僕らを見渡しました。
「びすけさんは、ことあるごとに『メイド喫茶へ。メイド喫茶へ』と呟いていたそうです。トレイシーが命がけでつかんできた情報です。どうかみなさん、トレイシーのためにも、この新宿の危機作戦を成功させてください!」
店員さんが涙ながらに力説する一方で、トレイシーは鍋をつついてはほふほふしていました。意外と雑食ですこのカブトムシ。ともあれ、新宿の危機ことびすけさんの居場所も掴むことが出来ました。あとは救い出すのみです。
「Let me see…じゃあとりあえず、明日10時半新宿駅東口集合で。それから助けに行こう」
幹事の外人さんは日本語が堪能だ。