オフヶレポ・6


「ここはお前さん達のようなまっとうな人間の来るところじゃねえよ、帰りな」

 「お一人様30分300円なんですけどいかがっスか?」と言う男に連れられて『カラオケ屋』にたどり着いた途端、入り口にいた大男に帰れと言われ呆然と立ちつくす一行。連れてこられたのに帰れって言われてもなー、ていうか武器買いたいんだけどなー。ともじもじしている僕たちをよそに、スッと一歩前へ出る人格さん。


「アンタ…私の顔を見てよくそんなこと言えたもんだねえ」
「ああ?なに言ってやがるん…!?あ、姉さん、姉さんじゃないですか!」
「久しぶりだね、クマ。さあ、中に案内してもらおうか」
「へ、へいっ!」


 この人一体何者なの…?と首をかしげている僕らに人格さんが一言


「みんな、なにボケっと突っ立ってるんだい?行くよ」
「へ、へいっ!」


 そしてそのクマさんを先頭に、店の奥へ奥へと進みます。「こちらの部屋ですクマ」とクマさんが立ち止まったのに、止まることを知らないでるでるさんは自動ドアに思いっきりぶつかってました。「自動ドアなのに何で開かないんだよ!」と頭に咲いているひまわりを南の方へ向けながら叫んでいるでるでるさん。するとクマさんが「このドアはこうやって開けるクマよ」と、ドアの隣に設置されていたドクロをすごい勢いでグルグル回し始めました。で、それに対応してちょっとずつ開くドア。「ドクロの動きに対応した新しいタイプの自動ドアですクマ」どうよ?と得意げな顔でドクロを回しているクマさんは放っておいて、ぞろぞろと部屋の中に入る僕たち。甘い香りがする。


「それじゃ電気つけますよクマー」

 パチッ


 僕らの目に飛び込んできたのは、所狭しと並べられている武器…じゃなくて、お菓子、でした。ショートケーキにアップルパイ、クッキー、キャラメル、アイス、プリン。ありとあらゆるお菓子が部屋中を埋め尽くしていました。


「じゃあみんな、それぞれ自分にあった武器を選ぶんだよ」と人格さん。いや、武器っていうかお菓子だよねコレ?と言いたくても言い出せない僕たち。でもちょさんだけは迷わず自分の頭にプリンをのっけていました。82個は多いなー。82個は多いよー。狢さんは穴掘ってます。


「なんだいアンタ達、武器を選んだことがないのかい?しょうがないねえ、じゃあ私が選んであげるよ」と武器、もといお菓子を物色し始める人格さん。そして20分後、人格さんがチョイスしてくれた武器を手に、僕らは『カラオケ屋』を後にしたのでした。以下、みんなの装備一覧。


人格さん …………… キセル
ちょさん …………… プリン
うさうさ脳さん …… きなこ棒
でるでるさん ……… きなこ棒
パンティさん ……… きなこ棒
外人さん …………… きなこ棒
ガス電池さん ……… きなこ棒
狢さん ……………… きなこ棒
40秒さん …………… きなこ棒
たむら ……………… きなこ棒



 − 絶対負ける − 本日二度目の、ひとつになったみんなの心。



続く。