みかん

　愛媛出身の後輩が居ます。

「お前の得意料理ってなに？」
「肉じゃが作れますよ」
「みかん入ってんの？」
「入ってませんよ！」
「そっかー。あ、スナック菓子とかでさ、ご当地モノってあるじゃん？」
「ありますね」
「そんなんないの？みかん味のじゃがりことか」
「じゃがりこって…」
「プリッツならセーフ？」
「アウトです」
「そーいやイタリアでトマトぶつけあう祭りがあるけどさ、愛媛は何月くらいにあるの？みかん祭り」
「いややりませんて」
「そんなバカな。みかんぶつけあうでしょう、愛媛なら」
「骨折れますよふつうに」
「じゃあ何祭りしてんのさ、愛媛」
「愛媛というか、地元で一番盛り上がるのは太鼓祭りですかね」
「あー、太鼓の真ん中にみかん置いて、バチでビシャッ、ビシャッて」
「なんの意味があるんですかそれ」
「みかんの収穫を祝って」
「いや、米の収穫祝いです。太鼓祭りは」
「んだよ、意外と活躍してねえな、みかん。そだ、鏡餅にみかん何個重ねるの？そっちって」
「１個ですよ！」
「ていうか餅ナシでみかんオンリーっぽいけどな」
「餅の上にみかん１個です。というか、うちのまわりみかん畑ないですし」
「そんな細かいウソいらないから」
「いやホントですって」
「そんなこと言いながら、ペットもみかんなんでしょ？愛媛って」
「どういうことですか？」
「みかんに首輪付けて、ズルズルーって」
「愛媛バカにしてるでしょう」
「本気で反論してくれるのがうれしくて」