忘れ雪

 最近人が死ぬような本しか読んでなかったので、たまには甘酸っぱいの読みたいなーと思って、いかにも甘酸っぱそうな表紙に魅せられ購入。犬がちょこんと座って雪が降ってるって表紙。えー結論から言うと、悪い意味でいっぱい裏切られました。ここ読んでる人はこの本読まなくていいので、以下ネタバレ有りです。

 前半はね、期待通りの甘酸っぱい感じだったんですよ。いや期待通りではなかったけど。犬はかわいいし、ヒロインもかわいいし、主人公の男がバカ。お前バカだよって心の中でなんども連呼しながら、つかず離れずのラブストーリーを目の当たりにしていたわけですが。ともかくラブです、前半はね。そしてストーリーが中盤にさしかかったあたりで、まず犬、死にます。突然死です。まあまあ、ここまではいいですわ。いままで仲良くしていた犬が死ぬことで涙を誘ったりとかそんな効果があるからね。次、また別の犬が死にます。ていうか殺されます。さらに次、人、死にます。ていうか殺されます(大外刈りで)。ラスト、主人公、死にます。ていうか殺されます(ナイフで刺されて)。えー。甘酸っぱいのはどこへいったのー。

 たぶん後半から書き手変わっただろうと思わせるくらいの急展開ぶり。本屋さんのコメントで「誰が読んでも心温まるストーリーとなっています。特に20代の女性にオススメです!」とありましたが、世の女性はこんなの求めてるんですか。ゆがんだ視点で見れば嫌いじゃないですけど、こんなのも。

忘れ雪