バトルロワイアル

 あ,これ,いま読んでたわけじゃないんだけど,ふと目にすることがあったので書いてみよう.読んだの何年前だろ.3,4年前かなー.でもハッキリ覚えてる,これ読んだときのオレのびびりっぷりは.映画やらなんやらで一時話題になったので知ってる人も多いだろうけど,ある日突然先生から「それじゃ殺し合ってもらいまーす.」って言われて,クラス全員で殺し合うっていう話.

 イメージだけなら,するかもしれないなぁと思うんですよ.殺し合うっていう.でも,それを中学校のひとつのクラスを対象にして,さらに物語として完成させるってのがこの作者さんのすごいとこ.この本えらい分厚い上に,確か段組になってたと思うんだけど,一気に読んでしまいます.もうなんか取り付かれたみたいに.

 読み始めたときはもう怖くて怖くて.人って死ぬんだって.しかもこの人描写がうまいもんだから,どんなやりとりをして,そんで片方が死んでいくっていう様をそれはもう見事に読者の頭に描かせてくれるわけですよ.で,こっちはひとりひとり死んでいくたびにものすごい心のダメージを受けてるくせに,なぜだか読むのを止められない. でもまた不思議なことに,つか,人間ってよくできてるなと思うんだけど,慣れます.確かクラスの人数は40人程度だったかな.慣れます.そんだけああなると.その「あ,オレもしかして慣れてきてねえ?」って気づいたときの心境なんて,ねえ.いやなもんです.


 ちなみに読んでる間のイメージは「真っ赤」.なんかね,最初は頭の中だけだっんだけど,そのうち目の前が赤くなるよ.読み終わった後ふらふら.読んで消耗する本ってこれしかしらない.「おもしろい」とは決して言い切れないけど,読むべき作品だと思います.なんだろな,別領域だよこれ.

バトル・ロワイアル