火車

 以前母に「宮部みゆきってどーよ?」と聞いたら「いまいち」と答えが返ってきたのでいままでとっぷり無視してきたんだけど,これだけ売れてるからにはなんかしらおもしろ要素があるはずだからと読んでみたら,おもしろいじゃないの.少なくともホワイトアウトよりはずっといいですよ.たまに母センサがわかりません.でもまぁ,こーゆーのにしちゃ偶然の要素が多すぎるかな,物語的に.文句つけるとしたらそのくらいで,文体や雰囲気は好きですよ.最後の数ページを読んでるときに「あ,ここまでくれば,どこで終わっても良いな」
って思えたから,ストーリー全体に満足してたんだと思うし.ただ惜しいところは,こいつ好きって思えるキャラが出てこなかったとこ.みんな好き度でいったら普通.そこさえあれば「これあいいぜ」と言い切ってたでしょう,この話.

火車 (新潮文庫)