文化人類学

「すいません、図書館はどちらの方にありますか」

 と、おじいさんに近いおっちゃんが声をかけてきた。「図書館はですね、この道を右に曲がると左手に広場見たいのがあって…というか僕もそっちの方に行くんで、一緒にいきましょうか」ナンパ成功です。おっちゃんが。で、いろいろとお話を聞いたんですけど、なんと放送大学修士課程らしいんですよ、このおっちゃん。なんだタメじゃん学年的には。で、なにやってんですかーと聞いたら、タイトルにある文化人類学をやっていますと。世界各国にそれぞれ独自の文化があるけども、いまグローバル化が進んできて、そういった独自のものが薄れつつあると。で、そういったものを再度見直すような趣旨でこういった学問をやっているんだとかいないんだとか。つーか風呂敷でけえなと思って、なんかターゲットにしている国はあるんですかと聞いたら、アメリカ文化について調べてると。ほほう、アメリカですか。アメリカのなにを?ミッキーマウスの歴史についてです。へえ、ミッキー。ミッキーで修論書くんかい。おもしれえなー。同じ修士でもここまでバックグラウンド違いますからね。しかも世界各国のディズニーランド巡って、いろいろ調べてるらしいですよ。楽しそうだなおい。

 16の時から工学工学で生きてきたので、こんなのすごく羨ましいと思いました。でも、現役でこんなことやってたら食ってけねえだろな。まぁ、やるならほんと、このおっちゃんくらいの歳になってからでしょうね。あと一番羨ましかったの、テーマがわかりやすいってところです。ミッキーの歴史って言われりゃ、すぐ「あー」ってなるけど、移動体衛星通信用の〜〜〜って言っても「は?」ですからね、大抵。