手なしのおっさん

 すげー久しぶりに手なしのおっさんを見た.この手なしのおっさんは,右手の肘から先がないのです.小学生の時によく遊んでた公園に頻出していたおっさんで,いつも謎の紙袋を片手にわけのわからない言語で僕らのことを怒鳴り散らしてきました.めちゃめちゃ怖かった.でも時々やたら上機嫌で,缶ジュースをくれたりもした.怖くて飲めなかったけど.「オレぁ中国で戦争をしてきたときに手がなくなったんだ」って言ってたよ,と誰かから聞いた覚えがあります.それ聞いたとき,日本語しゃべれんじゃんって思った.

 そんなおっさんを,昨日たまたま道ばたで見かけました.たぶん10年ぶりくらいに目にしたと思う.相変わらず右手は無くて,あの紙袋を自転車のカゴに入れてました.白髪増えてて,ちっちゃくなってたけど.まだ生きてたんだなーというのが正直な感想.

 にしてもストレートな呼び名つけるよなぁ,小学生って.