陽気なギャングが地球を回す

saisoku1082009-03-29


 を,読みました。マトモに小説を読んだのいつ以来だ。

 この前,実家に帰ったときに弟に「なんかおもしろい小説ない?」って聞いたら「うーん,コレだな」と渡されたのがコレ。弟が渡してくれる本は大抵アタリです。『家族狩り』とか『奪取』とか『イン・ザ・プール』とか,全部おとうと推薦だからな。唯一,無かったのは『ホワイトアウト』なんだけど,真保さんの小説ってホワイトアウト以外はおもしろいから不思議。で,話を戻します。陽気なギャングが地球を回す,を手渡されたのです。タイトルからして良い。

「はい,コレ」
「おお,このミス(このミステリーがすごい!)か。それなら期待できるな」
「それはおもしろいよ。なんかよくわかんないけど,このミスはあんまりハズれないよね」
「『パーフェクトプラン』とか,めちゃめちゃおもしろかったしな。ていうか,あんまりって?」
「『四日間の奇蹟』だけはハズレ。第一回このミスなのに」
「ああ?お前,千織ちゃんのことバカにすんの?」
「よく主人公の名前サラっと出てくるね…」
「若干,虜だったから」
「あれって,ミステリーじゃなくてファンタジーじゃん」
「だからなに?」
「いやいや,このミステリーがすごい,でしょうに」
「ファンタジーなのにミステリーに応募して,すごい!になったんだよ?すごいじゃん!?ていうか千織ちゃん…」
「ああもうわかったよ,うるさいよ」

 そんなやり取りのあとに,茨城に向かう電車の中で読み始めたんですけど,それはもうアタリでした。まれに出会う,話の内容うんぬんじゃなくて言葉の使い方そのものにセンスが溢れているタイプの小説です。目次を見た瞬間に「あ,コレおもしろい」って思える小説。とにかく言葉の並べ方がステキ。話の本筋はありふれたモノかもしれないけど,味付けの仕方…というか,キャラ設定だな。そこがハンパじゃないです。読めばいいと思う。

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