幸せオーラ

saisoku1082008-11-16


 会社の先輩の結婚式に行ってきておもしろかったので忘れないようにメモっておく時間。

 結婚式なんてそんなに行ったことナイのに,招待状に「受付ヨロシク」と記載されていたので,なんだか受付デビューです。「いいんですか?僕でいいんですか?」と言ったら「いいよー,頼むねー」と軽い返事がきたので,じゃあいいか。別の先輩も受付をお願いされていたので,二人で会場のホテルの人からの説明を受けました。曰く,ご祝儀を受け取って,氏名と住所を書いてもらって,席次表と2次会の案内を渡して,人前式なので承認のサインをしてもらって,待合室は2階なのでそこに行けと言えばいいワと。オーケー任せとけ。あと,結婚するのオレじゃないのに,来る人来る人「おめでとうございます」と言ってくるので「ありがとうございます」と返してました。こんなにおめでとうって言われたのすげー久しぶり。あと,写真係の人に「受付の人たちで一枚撮りまーす,はい,ピースして笑ってー」と言われたので思わずピースしましたよ。笑顔でピースしたのって何年ぶりだろなぁと思ったら,イトコが結婚したときに笑顔でピースして写真撮った記憶があるので2年ぶりです。そこそこ最近。

 という仕事をわさわさこなしていたら,ホテルの人が「あと5分で挙式が始まるので,3階にお行き」と。わかったよーと会場に向かったら,テレビで観たような教会っぽい場がそこに広がっていました。入口の両扉がバーンと開いていて,バージンロードのその先には祭壇がストンと構えられていて。そしてその上には十字架が粛々とたたずみ,その後ろのステンドグラスからは柔い光が差し込んでいる感じの,アレです。パイプオルガンが鳴ってそうでまだ鳴っていない。で,バージンロードに隔てられて,木造の長椅子がずらずらと整列していました。おおお,それっぽいなーと感動していたら,ホテルの人から「バージンロードの右側が新郎の席,左側が新婦の席になっています」と言われたので,じゃあ右側にーと思ったら席が完全に埋まってんの。んで一緒に受付をしていた先輩と顔を見合わせて「しょうがないから新婦側に座ろうぜ」となったので,いそいそと新婦側に座ったわけです。一番後ろの,バージンロード沿いの席。写真を撮るのにグッドポジションだなココ,とやんわりテンションアップ。

 さあ,挙式スタートです。まずは先輩である新郎が入場し,そして新婦がお父さんと連れ添い,入場です。テレビで観た。テレビで観たよコレ!祭壇の前でお父さんから新郎にバトンタッチするシーンがあって,「人前式なのであちらにサインをー」と必死で書いてもらった署名を新郎がバッと開き「これを持ちまして,私たちはここで結婚いたします」と宣言。おめでとー!何人かに「サインして」って言うの忘れちゃったけど,結果的におめでとー!とパチパチ拍手をしていたら,司会の人が「二人の結婚が皆様に承認されたところで,ここで誓いの指輪の交換です。今回は出席者の方々にも協力していただき,リングリレーの形式で指輪の交換とさせていただきます」と。…リングリレーってなに?司会の人の話は更に続いて「この日のために,新婦のお母様がうさぎの人形を手縫いで作成され,そのうさぎさんがいま,二人の指輪を手にしています」って。あー,あったあった。人前式の署名をしてもらうときに,そこのテーブルにうさぎの人形がふたつ置いてあって,その人形がそれぞれ指輪を持っていたことを思い出しました。で,それをどうすんの?「出席者の方々にご協力いただき,その人形を順に手渡し,そして新郎新婦のもとに届けていただきたいと思います!」それと同時に,後ろにいた係の人がパパっと人形を手にして出てきました。アレ?なんかイヤな予感がするよ?オレ…新婦側の席に座ってるんだけど。

 更に続けられる司会さんの言葉「それでは,出席者の方々にご協力いただき,リングリレーを始めたいと思います!バージンロード沿いに座っているみなさま,ご起立願います!」やっぱりー!いや,ちょっと待ってうさぎの人形を持っている係の人。新郎側の席が埋まってるの見えるよね?だからやむを得ず,こんなスーツ着たおっさんが,新婦側の華やかなお嬢様たちに紛れて座っているのもわかるよね?それをわかった上で,ていうか一生に一度のこの席で,こんなハプニングいらなくね?と必死に係の人に抗議するも,その人はニコニコしながら指輪をどうぞと差し出してくる。コイツ(係)を落とすのはもうダメだと判断して,一個前の席に座っている新婦のご友人の方に「僕,新郎側なんで飛ばしてくださいどうかー」と言ってる最中に司会の人(敵)が「それではリングリレー,スタートです!」スタートじゃねえよ!!

 人生で最もどうしたらいいかわからない顔で係の人からうさぎの人形を受け取り,いいの?いいの?と思いながら前の席の人に手渡しました。みんな味わったことないだろうけど,そうとうテンパるよこの状況。新婦と会ったのきょうが初めてなのに,リングをいの一番にリレーしちゃったんだぞ。あー。

 そして以降,挙式,披露宴と滞りなく素晴らしい時が過ぎ,2次会で新郎新婦から言われた言葉。新郎「あの時のたむらの慌てっぷりで緊張が解けた」。新婦「たむらさんのこと夫から聞いてたんですけど,あの時,イメージ通りだって思いました」

 ご結婚,おめでとうございます。

*[日記]3次会

 そんなステキな結婚式だったので,そりゃもう2次会,3次会と続きますよね。そんな3次会での出来事。「いっせーの,1!」と突然,隣の席に座っていた4人組から気合いの入った声が聞こえる。僕はワールドカップイヤーに入社して,その前のワールドカップイヤーに入社したのが今回結婚した先輩で,さらにその前のワールドカップイヤーに入社した先輩が,隣の4人組。つまり8つ上。その8つ上の4人組が,気合いの入った「いっせーの」の声と共に親指をピコピコ立てている。みなさんご存じ「いっせーの」だ(正式名称知らない)。それで,負けた人が思いっきりデコピン喰らってた。8つ上だから,35?35の人たちが,本気で「いっせーの」をやり,本気で負けた人にデコピンしてた。デコピンってね,やっぱりガキのときだから許される罰ゲームなんですよ。このレベルになると音が違う。バチーンて鳴り響く。そして鳴り響く度に巻き起こる爆笑の渦。僕も隣でケタケタ笑っていたら「あれ…,たむらくんもやりたいの?」と。いーえー,観てる方が楽しいです。「たむらくんもやりたいんだってさー!」「よっしゃこーい!」えー!

 もっかい書きますが,周りは全員8つ上の先輩です。イヤな汗がだらだら出てくる。よし,負けよう。ここはオレが負けて先輩にデコピンされるパターンが一番まるく収まるんだ…。と思って望んだら,勝ちました。しかもイチ抜けで。そして負けた先輩の前に,僕を含めて4人の列ができて,次々とデコピンされる先輩。そして僕の番になったところで両腕をガッと掴まれて「キミ,何年入社だっけ?」「あ,あの,2006年,です」「そう?オレ,20世紀の入社なんだけどなぁ」「すいません先輩!」パチーン!「てめえこのヤロウ!次だ次!」普段負け組なクセに,なぜかここぞとばかりに勝ち続けてしまい「次だ次だ!」が延々と繰り返されるパターンに。で,勝つ度に腕をガッと掴まれ「何年入社だ!」「2006年っス!すいません」パチーン!

 終いには9人でやってたから,負けた人のダメージがハンパじゃなくなってた。そして試合回数は数十回,大げさでもなんでもなく,数十回にも及んで(つまり3次会は延々といっせーの!ってやり続けてた)初対面の人にこんなにデコピンしたの生まれて初めてだなーと思っていたら,一回だけ負けてしまったんです。その時の諸先輩方の嬉しそうな顔と言ったら…。先輩の中にひとり,明らかに武闘派の方がいらっしゃったのですが,その人のデコピンをくらったときに比喩でもなんでもなく頭がふっとんだ。「ハッハッハッ,たむら,いいリアクションするじゃねえか」アホか素だ。

 ひとしきり宴が終了し,家に帰って「まだおでこがジンジンするなぁ」と鏡を見たら,キレイに指型のアザができてました。オトナが本気で悪ふざけする楽しさを覚えた3次会。1回だけ負けたオレはともかくとして,他の人たちはどんなことになってんだろなぁ。