捕れないと思ったと

 人はキャッチボールをしなきゃ生きていけんのです。研究室に常備してあったボールはすでに溝がなくてつるっつるでして、せっかく変化球の握りをしても全く変化しない。これじゃ人生の4分の3を損しているようなものです。だいたいですよ人生の。で、それ(人生の4分の3を損すること)じゃいかんだろうということで、新品のボールを買ってきました。溝バッチリ。指かかるかかるイヤッホゥイ。ストレートでちゃんと指がひっかかることを確認して、それじゃお待ちかねの変化球ですよ。タテに落ちるカーブです。それしか投げられません。投げたー落ちたー新品ボールすげー!


 もうそんなの、タテの変化がおもしろくてしょうがないわけですよ。もっとタテの変化を、もっとタテの変化を。2球目くらいでヒジに違和感を覚えましたけど、それどころじゃありません。落ちたー!ひゃー!もっと!もっとだ!そんで肩も温まったころ、今日一番のカーブを投げるべく、一呼吸置いて、ゆっくり振りかぶって、慌てて投げたら右手の親指を思いっきり左膝にぶつけました。今日一番のカーブだー!ひゃー!あれ?痛い?痛いー!みたいな。ということで、文字を変換するのが憂鬱なくらい腫れてます。あー。もー、なんで慌てたんだろうあのとき。まったく、クールアンドビューティーの称号が台無しだわ。中村、ジャスミンティーをお持ちなさい!


 …中村?